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いっぺ
不登校の子どもは年々増加していて、令和1年度では小学生5万3350人、中学生12万7922人に上ります。
これは300人規模の中学校でいうと11人の不登校生徒がいる割合になります。
増え続ける不登校生徒への支援には、どのようなものかあるのかを調べてみました。
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文部科学省が通知する不登校児童生徒(小学生・中学生)への支援のあり方
年々増加する不登校生徒に対して、学校はもとより様々な支援機関によって支援が行われるようになりました。
令和元年に文部科学省は、不登校児童生徒(小学生・中学生)への支援のあり方についての通知を出し、各学校や教育委員会等により積極的な支援策を講じるよう求めています。
そこで、この通知の内容を学校の対応、各家庭への支援に分けてみていきましょう。
学校の対応
不登校生徒に対して学校が行う対応について次のような支援が望ましいと言及しています。
1「児童生徒理解・支援シート」を活用した組織的・計画的支援
生徒一人ひとりについて不登校になったきっかけや継続理由を的確に把握して、その生徒に合った支援策を策定することが重要です。
学級担任、養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの学校関係者が中心となって、生徒や保護者と話し合うなどして、「児童生徒理解・支援シート」を作成し、必要に応じて教育支援センター、医療機関、児童相談所等、関係者感での情報共有を行う。
2 不登校が生じないような学校づくり
いじめや暴力行為を許さず問題行動へのき然とした対応を行うこと。
また教職員による体罰や暴言、不適切な言動が不登校の原因となっている場合は懲戒処分も含めた厳正な対応が必要である。
学業不振が不登校のきっかけであることも多いことから、生徒の個に応じた指導の充実を図ること。
3 不登校児童生徒に対する効果的な支援の充実
不登校の要因や背景を的確に把握するため、学級担任の視点だけではなくスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の意見も踏まえた支援計画を立てること。
学校はプライバシーに配慮しつつ、定期的に家庭訪問を実施して児童生徒の理解に努める必要がある。また家庭訪問を行う際は、常にその意図・目的、方法及び成果を検証し適切な家庭訪問を行う必要がある。
いじめが不登校の原因となっている場合には、いじめられている児童生徒の緊急避難としての欠席が弾力的に認められてもよく、その後の学習に支障がないよう配慮が求められる。生徒や保護者が希望する場合には、柔軟に学級替えや転校の措置を活用することが考えられる。
4 不登校児童生徒に対する多様な教育機会の確保
教育支援センター、不登校特例校、フリースクールなどの民間施設、ICTを活用した学習支援など、多様な教育機会を確保する必要がある。
また,夜間中学において、本人の希望を尊重した上での受入れも可能であること。
5 中学校等卒業後の支援
国の実施する中学校卒業程度認定試験の活用について、やむを得ない事情により不登校となっている生徒が在学中に受験できるよう、不登校生徒や保護者に対して適切な情報提供を行うことが重要である。
不登校等によって実質的に義務教育を十分に受けられないまま中学校等を卒業した者のうち、改めて中学校等で学び直すことを希望する者については、一定の要件の下、夜間中学での受入れを可能とすることが適当である。夜間中学が設置されている地域においては、卒業時に夜間中学の意義や入学要件等について生徒及び保護者に説明しておくこと。
家庭への支援
次に家庭への支援について見てみましょう。
家庭は全ての教育への出発点となるため、保護者の状況に応じた支援が大切だとしています。
不登校の要因・背景によっては、福祉や医療機関等と連携し、家庭の状況を正確に把握した上で適切な支援や働き掛けを行う必要があるため、家庭と学校、関係機関の連携を図ることが不可欠であり、学校と保護者の信頼関係をつくることが重要です。
訪問型支援による保護者への支援や、保護者が気軽に相談できる体制を整えることが求められます。
不登校生徒(小学生・中学生)への支援施設・支援方法
ここでは、不登校生徒への支援施設・支援方法をみていきます。
お子さんや家庭の状況によって適切な支援施設・支援策を利用するために、それぞれの特徴を理解しましょう。
教育支援センターの事例
教育支援センター(適応指導教室)は、主に小中学校を長期で休んでいる子どものために、学籍のある学校とは別に教育委員会等が設置している公的な機関です。
生徒の多くは6ヶ月以上かけて、元の学校への復帰を目指します。
元の学校への復帰率は小学生で42%、中学生で53%となっていて、学年が上がるにつれて復帰率が高くなります。
学校と同じように学習指導要領に基づいた学習を行っていて、教材としては教科書の使用が94%で、一般の学校のように終日活動があります。
支援内容は学習支援、相談・カウンセリング、家庭への戸別訪問となっています。
学習面については個別学習支援を取り入れ、個人の能力に応じた学習を支援しています。
またスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門職による相談・カウンセリングも行われています。
在籍している学校とも文書、面談、関係者会議などを通して情報共有し、連携して支援しています。
不登校特例校の事例
不登校特例校は、国や自治体が設置した不登校生徒の教育に特化した学校です。
令和4年度現在、全国に21校が設置されています。
不登校生徒に特化した特別教育課程を編成し、必ずしも出席を求めていないため、生徒に合わせて登校することが可能です。
特色ある教育課程の例はこちら。
- 年間の総授業時間数は750時間程度(中学の標準授業時間数は年間1015時間)
- 体験型学習(校外学習)を年4回以上実施
- ソーシャルスキルトレーニングの授業を実施
- 習熟度別クラス編成
- 生徒に応じた学習スピードで指導
ICTを活用した学習支援の事例
文部科学省は、GIGAスクール構想による1人1台端末環境を推進しています。
GIGAスクール構想はICT教育によって個別に最適化された教育の実現を目指すものですが、不登校の生徒にとってもメリットがたくさんあります。
- 教室の授業のオンライン配信
- 録画した授業動画の配信
- Googleフォームを活用した小テストの実施
- オンライン学習教材の配信
- オンライン面談
フリースクールの事例
フリースクールとは不登校の生徒に対し、学習活動、教育相談、体験活動などを提供する民間の施設です。
全国に約474団体・施設があり、不登校生徒に向けた多様なプログラムを提供しています。
在籍校の校長が認めた場合、フリースクールに登校することで在籍校の出席扱いにすることができるので、まずは学校以外の居場所作りとしてフリースクールに通ってみるのもおすすめです。
学校のように決まった時間割があるわけではなく、その日何をして過ごすかは生徒自身が自由に決めるフリースクールが大半で、体験活動に積極的に取り組んところも多いです。
児童相談所の事例
児童相談所は児童虐待などの子どもの養育相談や必要に応じて児童を一時保護する機関としてよく知られていますが、学校生活以外の子育て全般に関する相談も受け付けていて、不登校に関しても相談活動を行っているようです。
ひきこもり地域支援センターの事例
ひきこもり地域支援センターはひきこもりに特化した公的な相談機関です。
全国に79カ所あり、すべての都道府県に設置されていて、ひきこもりに悩む家族からの相談を受け付けています。
社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理師などの資格を持つひきこもり支援コーディネーターが中心となって、学校や病院、福祉施設などの関係機関と連携しながら専門的な支援を行っていきます。
発達障害者支援センターの事例
発達障害者支援センターは、各都道府県、政令指定都市に97カ所あります。
コニュニケーションがとりにくい、会話が一方的、じっとしていられないなどは発達障害によく見られる特徴です。
うちの子、発達障害かも?と思い当たる場面があれば、一度相談してみることを検討しましょう。
特別支援学校の事例
特別支援学校は、法令に基づいて設置された障害者の教育を目的にした学校です。
対象となるのは、知的障害、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、病弱の5つの障害で、複数の障害を持った生徒にも対応します。
知的発達に遅れはなくても発達障害である場合、相談結果によっては入学できることがあります。
特別支援学級の事例
特別支援学級は、一般の小中学校内に併設された障害などが原因で特別な支援が必要な子どもたちを対象にした学級です。
特別支援学校よりも軽度の障害を持った子どもを対象としています。
対象となる障害は支援学校と同様ですが、情緒障害や発達障害を持つ子どもも対象になります。
定員は小学校で1学級8人以内となっており、個人に合わせて立てられた個別学習支援計画を元に支援が行われます。
学習面で支援が必要なものは支援級で行い、体育や音楽などの教科と学級活動は一般の普通級で行う通級も可能です。
中学校夜間学級の事例
中学校夜間学級は、戦中戦後の混乱期において、勉強したくても十分に勉強できないまま中学校を卒業した方向けに学習機会を提供するため、開設されました。
昨今では、不登校などで中学校に十分通えなかった方が学び直しのために通うことも増えていました。
これまでは学齢期を終えていることが受け入れの条件でしたが、2022年に香川県三豊市が開設した夜間中学は、全国ではじめて中学校に在籍している生徒を受け入れることになりました。
学習は個別指導が主流で、中学校の内容だけでなく小学校の内容から復習することもあるようです。
多くが17時〜21時ごろまでの授業となっていて、給食がある学校もあります。
令和4年4月現在の設置数は15都道府県40校です。政府は今後5年間ですべての都道府県・指定都市に夜間中学が少なくとも1つ設置されることを目指しています。
親の会の事例
最後に不登校の子を持つ親を支援する親の会についてみていきましょう。
親の会は全国各地にあり、活動内容は様々です。
代表的な活動内容は、不登校に関する情報提供、親へのカウンセリング、親同士の会合などでの共助(ピアサポート)などです。
不登校の子どもの親は共感してもらえる相手が少なく、孤独を感じてしまうことも少なくありません。
同じ境遇の保護者を話をするだけでも気分が晴れて、前向きに子どもと向き合えるようになるかもしれません。
不登校生徒(小学生・中学生)が支援を受けるメリット
ここまで、様々な支援機関による支援をみてきましたが、支援を受けると具体的にはどんなメリットがあるのでしょうか。
5つのメリットを挙げましたので、順番に見ていきましょう。
社会とのつながりができる
お子さんが不登校になると、学校以外での社会のつながりが持ちにくく、不登校の親子は地域社会の中で孤立しがちです。
学校以外で人と関わりを持つと、家族、親族、学校の友達以外の社会的なコミュニティへのつながりができます。
上手く適応できれば、人との交流を通して、家庭、学校とは違う居場所が見つかり、お子さんの人生経験の幅が広がるでしょう。
第三者のアドバイスをもらえる
不登校に悩む親にとって、学校の先生とは違う第三者の客観的なアドバイスは参考になるものが多いようです。
専門家によるお子さんに合わせたアドバイスは貴重ですので、ぜひ相談して積極的にアドバイスを求めましょう。
勉強のフォローを受けられる
不登校生徒に対する学習サポートは個別指導が主流ですので、学校の授業における集団指導とは違い、お子さんに合わせた支援が受けられます。
お子さんの苦手なところや特性に合わせた教材や指導が受けられるメリットがあります。
生活リズムが整う
学校以外の居場所があると、外出の機会ができ、それに合わせたスケジュールが立てられるようになります。
そうなると、決まった行動パターンができ、自然に生活リズムが整いやすくなります。
1日の中でやることややりたいことができると、お子さんの気持ちにもメリハリが出てくるでしょう。
出席日数にカウントされる
教育支援センター、不登校特例校、フリースクールなどは、一定の条件を満たすと学校での出席扱いとなり、学校の出席日数にカウントされる場合があります。
高校受験に向けて内申書が気になる方にとってはメリットとなります。
条件は利用する施設やお住まいの地域によって異なりますので、出席日数へのカウントを希望する方は、事前に問い合わせしましょう。
まとめ
お子さんに合った支援機関を活用しましょう
ここまで、不登校生徒向けの支援施設、支援方法についてみてきました。
特徴や支援内容などをよく検討し、お子さんに合った支援機関、支援方法を選びましょう。
親御さんだけでがんばりすぎず、積極的に支援機関を活用して社会とかかわりを持ちながら、一緒にお子さんを支えてくれる人たちが見つかることを願っています。
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