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いっぺ
学校は休んでいるのに、家ではゲームをして笑っている。「本当は行けるんじゃないか」「休ませていたら甘やかしになるのかな」と迷うことはありませんか。
家で元気に過ごせることだけで、不登校を「怠け」や「親の甘やかし」と決めつけることはできません。学校で何がつらいのか、体調はどうか。そこを確かめずに厳しくしても、お子さんが困っていることは残ってしまいます。
ただ、気持ちを受け止めることと、要求をすべてかなえることは別です。高い物をねだられたときには、欲しい気持ちは聞きながら「今は買えないよ」と伝えてもいいんです。
この記事では、甘えと甘やかしの違い、休ませるときの考え方、親が無理をしすぎない関わり方を紹介します。僕が運営する保護者コミュニティの声も交えながら、家庭での具体的な声のかけ方を考えていきましょう。

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不登校を「甘え」と決めつけず、学校での負担や体調を確かめよう

「甘え」という言葉には、人を頼る意味もあれば、怠けていると責める意味もあります。この二つを混ぜてしまうと、「頼りたいと言ったら叱られるのかな」と、お子さんが困りごとを話しにくくなってしまいます。
文部科学省は、不登校の背景を把握し、一人ひとりに合った支援を行うことを求めています。学校に戻ることだけを目標にせず、本人が進路を選び、社会で自立していけるように支えるという考え方です。文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について」
ゲームができるからといって、学校にも行けるとは限らない
好きなゲームをすることと、教室で長い時間を過ごすことでは、感じる負担が違います。友達との関係がつらい、授業についていけない、朝に体調を崩すなど、家にいるときには見えにくい困りごともあります。
「遊べるなら学校へ行けるはず」と結論を出す前に、学校の何が負担なのかを知ることが先です。話せそうなら「教室にいるとき、困ることはある?」と聞いてみましょう。答えが出なければ、何度も理由を問い詰めなくて大丈夫です。
一方、ゲーム中に笑っているから「もう心配ない」とも言い切れません。眠れているか、食事が取れているか、頭痛や腹痛が続いていないかも見ておきたいところです。不調が続くときは、かかりつけの小児科などへ相談しましょう。
「甘え依存型」という言葉で子どもを判断しない
不登校について調べると、「甘え依存型」という説明を見かけることがあります。でも、「親に頼る」「嫌なことを避ける」といった様子だけで、その子の不登校の原因が分かるわけではありません。
「うちの子はこのタイプだ」と決めるより、朝の様子や学校での出来事、本人が話したことを担任やスクールカウンセラーに伝えるほうが、対応を相談しやすくなります。本人に直接聞くのが難しければ、まず親御さんから学校での様子を尋ねてみてください。
甘えを受け止めることと、要求をすべてかなえることは違う

頼ってきたお子さんの話を聞くことも、できないことを伝えることも、両方あっていいんです。「何でも受け入れるか、厳しくするか」の二択にしなくて大丈夫です。
たとえば、次のように気持ちと行動を分けて考えてみましょう。表の言葉は、家庭で使う声かけの例です。
| 場面 | 気持ちを受け止める言葉 | 必要に応じて伝えること |
|---|---|---|
| 失敗して泣いている | 「悔しかったんだね」 | すぐに解決策を言わず、落ち着いてから「一緒に考える?」と聞く |
| 高い物を買ってほしい | 「それが欲しいんだね」 | 「今出せるのはここまで。予算の中で考えよう」 |
| 夜の通話が大きくて家族が眠れない | 「友達と話したいんだね」 | 「声が聞こえて眠れないから、小さな声で話してほしい」 |
| 忙しいときに話しかけてきた | 「聞いてほしいことがあるんだね」 | 「今は手が離せないけど、夕食のあとなら聞けるよ」 |
言葉を一度かければ、すぐ納得してもらえるとは限りません。それでも、「学校に行っていないくせに」と登校の話に結びつけるより、何に困っていて、どうしてほしいのかを伝えるほうが、具体的な話し合いになります。
親御さんが毎回予定を変えたり、無理な出費をしたりする必要もありません。今できることと、できないことを伝えたうえで、一緒に考えていきましょう。
「泣いていいよ」と伝えた親御さんの声
保護者コミュニティで、オンラインの英語レッスン中に問題を読み飛ばし、悔しくて泣いた娘さんの話を聞きました。以前なら一人で泣いていた娘さんが、その日は親御さんに話しに来たそうです。
親御さんの声
以前はそんなことで泣かなくていいと慰めてた気がする。今回は悔しかったね、泣いていいよと声かけした。
励ましたい気持ちから「そんなことで泣かなくていいよ」と言いたくなることもありますよね。この親御さんは、まず娘さんの悔しさを受け止めていました。
間違いを直す話は、落ち着いてからでもできます。泣いているその場では、うまくできなかった気持ちを話せることを大事にしたいですね。
学校を休ませるときは、休養と学校への相談を一緒に考える

つらそうなお子さんを休ませることだけで、「甘やかし」にはなりません。ただ、休めばすべて解決するとも限らないので、本人が休んでいる間に、大人同士で相談できることを進めておきましょう。
文部科学省の通知でも、不登校の時期が休養などの意味を持つ場合がある一方で、学習や進路への配慮も必要だとされています。休ませることと、学ぶ機会を考えることは両立できます。
朝は説得を重ねず、その日の体調と過ごし方を確認する
朝に泣いていたり、腹痛を訴えたりしているときに、将来の話まで持ち出して説得を続けるのは避けたいところです。まず「どこがつらい?」「今日は休んで、体を落ち着けようか」と、目の前の状態を確かめましょう。
休むことにしたら学校へ連絡し、本人の年齢や状態に合わせて、家で安全に過ごせるようにします。親が仕事で家を空ける場合も、食事や連絡方法、頼れる大人をどうするかまで考えておきたいですね。
朝の対応を詳しく知りたい方には、こちらの記事も参考になります。
学校には「登校させる方法」以外も相談できる
担任との面談では、本人が何に困っているかに加えて、家庭で困っていることも伝えてみましょう。毎朝の電話がつらいなら連絡方法や頻度、学習が心配ならプリントや教材の受け取り方を相談できます。
学校への相談例
「朝になると腹痛があり、登校の話で泣いてしまいます。本人が落ち着くまで、連絡は親宛てにお願いできますか。授業の内容を家で確認できる方法と、スクールカウンセラーに親だけで相談できる日も教えてほしいです」
いじめや先生とのトラブルが分かっている場合は、その状況を伝え、学校側にどんな対応を取ってもらえるかを確認しましょう。担任に話しにくいときは、学年主任や管理職、教育委員会の教育相談窓口にも相談できます。
頭痛や腹痛、眠れない状態が続く場合は、学校への相談と並行して医療機関にも相談してください。不登校は病名ではありませんが、体やこころの不調が関係している場合があります。厚生労働省「『ひきこもりや不登校』というサイン」
親が先回りしすぎず、本人が選べる関わり方にしよう

「甘やかしてはいけない」と急に手を離すと、お子さんが今は一人でできない連絡や手続きまで抱えてしまうことがあります。反対に、親が全部決めると、本人の希望を聞く機会がなくなります。
まずは「一緒にやる?」「ここだけ手伝おうか?」と聞いて、手伝う範囲を決めるところから始めてみましょう。以前できたことでも、体調や気持ちによって今は難しい場合があります。「前はできたでしょ」と決めつけず、その日の様子を見て調整していいんです。
進路の手続きが心配なときも、親だけで決めない
大学進学を希望する高校3年生の親御さんは、手続きの期限を前に、すぐ自分が動きたくなる気持ちを次のように書いていました。
親御さんの声
今のところ「やることリスト」を自分用に作り確認するに留めている。
期限が近づいたときに、どう話そうかも考えていたそうです。
心配だからこそ、先に調べておきたくなるんですよね。この声で参考になるのは、親が情報を持つことと、本人に代わって決めることを分けている点です。
ただし、出願期限を過ぎると、その入試に申し込めなくなることがあります。「本人のことだから」と何も伝えず待つ必要はありません。たとえば「申込みは金曜日までだよ。分からないところはある?」と事実を共有し、本人が困っているところを一緒に確認していきましょう。
親が聞けないときは、話せる時間を伝える
話を聞くときは、途中で評価や助言を挟まず、「そう感じたんだね」と、まず最後まで聞いてみましょう。厚生労働省の「こころの耳」でも、相手の立場から理解しようとすることや、分からない点を聞き直す姿勢が紹介されています。「傾聴とは」
とはいえ、仕事中や疲れているときに、いつでも十分に聞くのは難しいですよね。「今は10分なら聞けるよ」「続きは明日の朝に聞かせて」と、実際に聞ける時間を伝えて大丈夫です。約束した時間になったら、親から声をかけてみてください。
本人が親には話しづらそうなら、学校の先生やスクールカウンセラーなど、別の人に話す方法もあります。誰にどこまで伝えてよいかは、できるだけ本人と相談しておきましょう。
家族に「甘やかし」と言われたら、今の様子と対応を共有しよう

夫婦や祖父母との間で、「もっと厳しくしたほうがいい」「今は休ませたい」と意見が分かれることもあると思います。そんなときは、甘えかどうかの言い合いを続けるより、実際のお子さんの様子から話してみましょう。
たとえば、「朝は腹痛で動けない」「学校の話をすると泣いてしまう」「夕方は食事を取りながら会話できる」といった具体的な様子です。そのうえで、今日は休ませる、学校には親が連絡する、体調は受診して相談するなど、当面の対応を共有しましょう。
家族だけでは話がまとまらない場合は、スクールカウンセラーなどに一緒に相談する方法もあります。親同士の意見の違いを、本人の前で責め合う形にしないことも大切です。
「いつまで休ませるの?」と聞かれても、今すぐ答えを出せなくて大丈夫です。「来週、先生と面談して、今の様子を伝えるつもり」と、次に相談する予定を共有するだけでも、家族で同じ状況を把握しやすくなります。
不登校を「甘え」と呼んでも、お子さんが何に困っているかは分かりません。頼ってきた気持ちは聞き、親ができないことは伝える。学校や体調の心配は、具体的に相談する。その積み重ねで、親御さんも一人で抱えずに関わっていけたらと思います。
まずは次に話しかけられたとき、すぐ答えを出す前に、最後まで聞いてみませんか。うまい言葉が出なくても、「話してくれてありがとう」からで大丈夫ですよ。
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