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中学生で不登校になると、「高校受験してもどこにも受からないのでは?」と心配になってしまいませんか?
不登校の子どもにとっても保護者にとっても、高校受験は切実な問題といえます。
しかし、必要な対策をすれば不登校で受験しても高校に合格するのは可能です。実際に、不登校になった中学生の高校への進学率は80%を超えています。
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不登校の中学生の高校受験に関するデータ
不登校の中学生の高校受験に関する以下の項目について、文部科学省が発表したデータを参考にしてまとめてみました。
- 不登校の中学生の高校進学率は85.1%
- 進学してよかったと感じること
- 進学して不安に感じること
- 不登校の中学生の大学・短大・高専への就学率は22.8%
それでは、順に見ていきましょう。
不登校の中学生の高校進学率は85.1%
2014年に文科省が不登校の中学3年生を追跡調査した結果について発表しました。
それによれば、不登校を経験した中学生の高校進学率は85.1%となっています。
前回の調査は1993年に実施していて、調査結果は65.3%。21年前と比べて不登校を経験した中学生の高校進学率は約20%も上昇していました。
文科省は、不登校生徒に対する中学校の支援体制が整ってきているのが大きな理由として結論づけました。
もちろん、高等学校等の受け入れ態勢の整備も進学率の向上に貢献していると考えられます。
追跡調査から更に年月が経っているため、現在の高校進学率は更に高くなっていることが予想できます。つまり、不登校になった多くの中学生が高校に進学する夢をかなえているのです。
進学率が大幅に改善されてきているとはいえ、不登校を経験した中学生の高校進学率は全体に比べまだ低いという実態があります。
不登校の中学生が進学して良かったと感じる点の項目と比率
先に示した2014年度文科省の追跡調査から、高校に進学した不登校の生徒が進学して良かったと感じた点について、まとめてみました。
進学先の高校に対する満足度について、Yesで回答した不登校の生徒の割合が高かった質問について紹介します。
質 問 項 目 | Yesで回答した割合 |
自分の力や性格に合った学校にめぐり会えた | 70.9% |
学校の雰囲気が自分に合っていた | 65.3% |
学校で信頼できる人に出会えた | 65.0% |
調査結果から、「自分の力や性格に合った学校にめぐり会えた」の質問に対するYesの割合が70.9%あり、高くなっているのが分かります。
不登校の中学生が、進学後の学校生活に概ね満足しているのが分かる結果です。
また、「学校の雰囲気が自分に合っていた」、「信頼できる人に出会えた」の質問に対して、Yesで回答した割合も過半数を超えています。
友人や教師と好ましい人間関係を築き、学校生活になじんでいる様子も想像できますね。
不登校の中学生が進学して不安に感じる点の項目と比率
次に、進学先の高校に対する満足度について、Noで答えた不登校の生徒の割合が高かった質問項目について紹介します。
質 問 項 目 | Noで回答した割合 |
勉強を通して、自分に対する自信がでてきた | 52.3% |
自分の望み通りの学校に出会った | 37.2% |
調査結果から、「勉強を通して、自分に対する自信がでてきた」の質問に対するNoの割合が52.3%と高く、半数を超えているのが分かります。
高校進学を果たした不登校の中学生の半数以上が、学習の面では自信を持てずにいる状態が浮かび上がっています。
「自分の望み通りの学校に出会った」の質問に対するNoの割合も37.2%で、4割に達する勢いです。
不登校による勉強面での不安から、自分が望む高校に進学できなかったと考えている生徒が一定数いることがうかがわれます。
不登校の中学生の20歳現在の就学先
参考までに、高校受験のもっとあとの話になりますが、不登校だった中学生が20歳現在、どこに就学しているかの調査結果もご紹介します。
調査結果では、20歳になった不登校経験者の大学・短大・高専への就学率は22.8%となっていました。
内訳は下記の通りです。
就 学 先 | 就学率 | 前回(1993年)の就学率 |
大学 | 19.0% | 6.6% |
専門学校・各種学校等 | 14.9% | 選択肢なし |
短期大学 | 3.6% | 1.9% |
高等専門学校 | 0.2% | 選択肢なし |
前回調査と比べると、不登校経験者の20歳時での就学率が大きく増加しているのが分かります。
特に大学への就学率は、約3倍の増加です。
ここまで見てきたように、不登校を経験した生徒も、高校や大学に進学している人が増加していると分かりました。
不登校という理由だけで、高校や大学に進学できないということはありません。
不登校の中学生が高校受験で気をつけること4選
不登校の中学生が高校受験する際に気をつけたいことは次の4点になります。
順に見ていきましょう。
欠席日数は審議対象になる
多くの公立高校と、一部の私立高校では、入試の際に調査書を提出します。
この調査書に記載される内容のひとつに、欠席日数(出席日数)があります。
中学での欠席日数が多いと審議対象になるのですが、その基準は学校によって異なります。
- 3年間で30日以上
- 3年生の1年間で10日以上
- 各学年で10日以上
上記のように様々ですが、不登校の定義は「年間30日以上の欠席(病気や経済的な理由を除く)」ですから、不登校生徒の場合はもれなく審議にかかることになります。
高校受験を有利に進めるためには、
- 保健室や適応指導教室への登校は出席扱いになるのか
- 出席できそうな授業から少しずつ参加することは可能か
などを中学の先生とも相談しながら、なるべく進学する意志があると判断できる行動を取っていけるとベターです。
少しでも学校に行かせなくては!と親御さんは焦るかもしれませんが、あくまで子ども本人が進学する意志があり心のエネルギーが溜まってから行動を起こせるようにサポートしていきましょう。
調査書の内容が合否に影響するか確認する
高校受験では、当日のテストの点数に調査書の内容を加味して合否判定するのが一般的ですが、私立の高校の場合は調査書が合否に影響しない学校もあります。
不登校生徒の場合、欠席日数が多かったり、学級活動・課外活動などに参加できないことから調査書の内容が不利になってしまうため、調査書が受験の合否に影響する割合が大きいほど合格が難しくなります。
志望校を選ぶタイミングでは、なるべく調査書の内容が合否に影響しない高校をピックアップするのもひとつの方法です。
高校の募集要項を見てみたり、中学の先生からも情報収集してみましょう。不登校だった知り合いの子が実際に合格した高校も候補になりますね。
志望校が調査書を重視する場合だったとしても、子ども本人が頑張りたいと言う場合には、先に述べたように進学する意志がある行動を起こしていくことが大切になります。
学力試験で合格できる学力をつける
受験するからには、試験で合格を勝ち取れる学力を身につけることが大切です。
調査書を重視する・しないどちらにせよ、学力をつけ当日の試験で合格点以上を取ることが必須条件です。
不登校の生徒が学力をつけるには、オンライン教材や個別指導塾がおすすめです。
基礎が抜け落ちている部分まで遡って学習できないと、なかなか理解が進まず勉強する意欲が削がれてしまうため、子どもに合ったペースで確実に理解しながら進めていくことが重要です。
遡って復習したり、先取り学習ができる無学年式の「すらら」は不登校生に使いやすい教材ですので、気になる方は下の記事も見てみてください。
高校受験対策専用の機能はありませんので、すららで日々の基礎学力を上げつつ、志望校の過去問題集や高校受験対策の問題集で実践力をつけていくのが良さそうです。
▼無学年式オンライン教材「すらら」についてはこちら▼
「すらら」は最悪・ウザい・失敗って本当?口コミ・評判やメリット・デメリットまとめ
面接練習を必ずやる
志望校の受験で面接を実施している場合は、必ず練習をしましょう。
面接試験のハードルが高いと思ってしまう不登校生はとっても多く、受験したくないと思う原因になっていることもあります。
練習すら緊張してしまうからやりたくない、いっそぶっつけ本番で行く!と振り切ってしまう子どももいるかもしれませんが、面接練習は必ずしておいた方が良いです。
中学の先生、家族、親戚、誰でもいいので、しっかりと椅子と机(面接官)を用意して、面接で聞かれそうなことに答える練習をしましょう(当たり前ですが、面接官役は茶化したりせず真面目に演じましょう)。
最初はぎこちなくても、実際に声を出して受け答えを繰り返すことで、落ち着いて対応できてくるものです。
しっかり練習ができれば、あとは本番で練習通りやるのみです。ぶっつけ本番でうまくいくかドキドキするより、余裕と自信を持って受験することができますね。
ここでも、練習をさせなければ!と親御さんは焦る必要はありません。子どもに「練習してみようか?ぶっつけ本番よりいいと思うよ!」と誘ってみて、乗ってこない場合は少し様子をみましょう。
不登校の中学生が選ぶ進学先の特徴を解説
ここでは、不登校の生徒が進学先として高校を選ぶ際に、理解しておくべき特徴について種類別にまとめました。
- 公立高校(全日制)を受験する場合
- 私立高校(全日制)を受験する場合
- 通信制高校を受験する場合
- 定時制高校を受験する場合
- 高認を受けて大学・短大・専門学校などを受験する場合
上記5種類の進学先の特徴について、不登校の生徒が気になる点を中心に紹介していきます。
それぞれの学校の特徴を比較した上で、進学先について決めていくようにしましょう。
公立高校(全日制)を受験する場合
全日制公立高校を受験する際に、知っておくべき特徴についてまとめてみました。
学校生活の時間帯 | 朝から夕方まで1日 |
1週間の登校頻度 | 月曜日から金曜日までの5日間が原則 |
卒業までに要する期間 | 3年間。1年単位で進級するので留年する場合もある |
不登校生徒への支援 | 少人数指導、二人担任制など。※学校により異なる |
授業の理解のしやすさ | 高校による差が大きい |
受験 | 調査書や欠席日数を重視する傾向がある |
全日制公立高校は、毎日朝から夕方まで登校し、クラス単位で授業を受ける1番オーソドックスなタイプと言えます。
学校により学力の差が大きいので、進学後の学習が無理なく行えるイメージを持てる学校を選びましょう。
授業内容を理解するのが難しかったり、登校日数が足りなくなったりした場合には、進級できない場合があります。
私立高校(全日制)を受験する場合
全日制私立高校を受験する際に、知っておくべき特徴についてまとめてみました。
学校生活の時間帯 | 朝から夕方まで1日 |
1週間の登校頻度 | 月曜日から金曜日までの5日間が原則 |
卒業までに要する期間 | 3年間。1年単位で進級するので留年する場合もある |
不登校生徒への支援 | 少人数指導、二人担任制など。※学校により異なる |
授業の理解のしやすさ | 高校による差が大きい |
受験 | 調査書や欠席日数を重視する場合が多いが、公立に比べ受験に調査書が不要の場合もある |
全日制私立高校は、公立高校同様にオーソドックスなタイプの高校ですが、公立に比べて施設面が充実しているなど民間経営による違いがあります。
受験の際も、不登校生に配慮した対応をしてくれる場合もあるかもしれません。
しかし、公立同様に留年する可能性もあるので、進学後の学習が無理なく行えるイメージの持てる学校を選びましょう。
通信制高校を受験する場合
通信制高校を受験する際に、知っておくべき特徴についてまとめてみました。
学校生活の時間帯 | 朝〜夕、朝のみ、昼のみ、自宅中心など学校によって異なる |
登校頻度 | 週1〜5日、年4日など学校によって異なる |
卒業までに要する期間 | 3〜4年間。単位制なので留年はない |
不登校生徒への支援 | 自分のペースで学習できる、不登校経験者に特化したコースがある学校もある。 |
授業の理解のしやすさ | 基本的に理解しやすい |
受験 | 面接や作文による試験。※学校によって異なる |
その他 | 全日制高校から通信制への転入や再入学の事例も増えている |
通信制高校は自宅学習を基本とし、決められた日だけ登校(スクーリング)すればよい学校です。
そのため、不登校を経験した生徒にとって、なじみやすい環境と言えます。
受験に際しても、不登校という理由で不利になることはなく、受験すれば合格する学校がほとんどです。
しかし、大学などへの進学を希望する場合、必要とされる学力を定着させるための手厚いサポートがあるのかについては、事前によく調べておきましょう。
進学コースがある通信制高校の学費と、公立の通信制高校+塾の費用を比べてみるなど、子どもにできるだけ合った環境に身を置けるように色々と検討してみてください。
また、学校の雰囲気や教師との相性が合っているのかなど、事前に見学に行って見極めるようにしておくのが大切です。
定時制高校を受験する場合
定時制高校を受験する際に、知っておくべき特徴についてまとめてみました。
学校生活の時間帯 | 夕方から夜間にかけて4時間程度 |
1週間の登校頻度 | 月曜日から金曜日までの5日間が原則 |
卒業までに要する期間 | 4年間。 ※単位制で3年制の学校もある |
不登校生徒への支援 | 夕方から始まるので朝が苦手な場合は通いやすい。いろんな年代が在籍しているので同年代のような密な人間関係がない。 |
授業の理解のしやすさ | 基本的に理解しやすい |
受験 | 面接による試験。 ※学校により異なる |
その他 | 社会人も在籍。入学可能な時期や学科に制限がある |
授業が夕方から始まる定時制高校は、朝が苦手な生徒(起立性調節障害など)にとっては、通いやすい環境と言えそうです。
しかし、定時制高校はクラス単位でまとまって授業に取り組む場合も多いため、この点が気になる不登校の生徒もいるかもしれません。
ただ、同年代の集団生活が苦手だと感じる不登校生にとっては、様々な年代が在籍している環境は過ごしやすく、ストレスなく通える可能性があります。
昼間の時間が自由になるので、学習を自主的に進めたり、アルバイトをしたりなど自分らしい生活スタイルを確立させることもできます。
高認を受けて大学・短大・専門学校などを受験する場合
大学・短大・専門学校などに進学するには「高校卒業資格か、それ同等の資格」が必要なので、多くの受験生は「高校卒業資格」をもって受験します。
ですが、高校を卒業していなくても進学する方法として、高等学校卒業程度認定試験があります。2004年までは「大検」と呼ばれていた試験です。
この高認について、知っておくべき特徴についてまとめてみました。
受験資格 | 満16歳に達している人。 (不登校、高校に進学していない、中途退学により高校に通学していないなどに関係なく受験が可能) |
必修科目 | 英語・国語・数学・世界史Aまたは世界史B |
選択科目 | 日本史・地理から1科目、公民から1〜2科目、理科から2〜3科目 |
合格 | 科目ごと合格。受験した科目全てに合格すると高認合格。 |
受験日 | 8月上旬と11月上旬の2回実施。それぞれ2日間。 |
難易度 | 高校1年生程度の学力が必要とされる。年度による変動もある。 |
その他 | 回答は全てマークシート。高校在籍時に修得済みの科目は免除。 |
高認の合格率は90%と言われています。
ただし、これは受験した1科目の合格率であり、高認に必要な8科目以上ある全ての科目の合格率は、40%とかなり低くなります。
すべての科目で合格を目指す場合には、計画的に学習に取り組む必要があります。
また、高校に通学していない場合には、大学などへの出願の手続きについても全て家庭で行わなければなりません。
すべてを家庭で進めていくのが負担になる場合には、高認対応の学習塾や予備校も検討してみましょう。
高認は進学するためだけではなく、就職する際にも「高卒同等の資格」として通用する資格です。中卒と高卒では、やはり就職の選択肢がかなり広がりますので、高校に通うことがどうしても難しい場合は、ぜひ高認を受けることをおすすめします。
ここまで見てきたように、進学先としてどの高校を選ぶのかについては、まず家族でじっくりと話し合う必要があります。
その上で、見学や説明会に参加したり、資料の請求をしたり、中学校や塾などと時間をかけて相談したりしながら決めていくのが大切です。
不登校を経験した生徒の多くが通信制高校を選んでいる
不登校の中学生の多くは、進学先として通信制高校を選んでいます。
ここでは、通信制高校と不登校生徒の関わりについて、更に詳しく見ていきましょう。
不登校経験のある生徒の割合は通信高校全体の57.8%
2020年、文科省が通信高校に在籍する生徒の実態について発表しました。
それによれば、小・中学校及び前籍校で不登校経験がある生徒の割合は、通信制高校全体で57.8%にのぼっていたのです。
先述の通り、不登校経験者の高校への進学率は、大幅に増えていました。
通信制高校に在籍する生徒数も年々増えていますから、通信制高校が不登校経験者の受け皿の役割を担っていることが窺えます。
不登校の生徒に通信制高校が合う理由
「学校に行かなければいけない」ということが負担に感じる不登校の生徒にとって、通信制高校は登校を自分のペースで自由に選べる理想の学校ともいえます。
中には不登校経験者に特化したコースやクラスを設け、コミュニケーション力向上や郊外活動に重きを置いたカリキュラムを実施して、高校卒業後も自立して活躍できる社会人になれるようにサポートしている通信制高校・サポート校もあります。
実際に通信制高校に進学後、のびのびと生活できたことで気持ちが安定し、将来の夢を持つことができたり、ぎくしゃくしていた親子関係が修復したりと、事態が好転していく例はたくさんあります。
先生たちも不登校経験者の生徒との関わり方を心得ている場合が多く、生徒一人ひとりに合わせたサポートをしていく方針の学校が多いため、クラスでひとまとめにされるような学校生活が苦手な生徒にとっては、居心地良く過ごせることが多いです。
近年は様々な特徴を持つ通信制高校が増えてきていますから、「通信制高校ならどこでも一緒」ではありません。
子どもに合う環境を優先度順に整理して、しっかりと複数校から比較検討することが重要になります。
まとめ
不登校になった生徒の8割以上が、高校に進学していると分かりました。
年々増え、長期化している不登校問題の対策として、国を始め高校や中学校でも、不登校の生徒が進学しやすくなる対応をしています。
どんな高校に行きたいのか、どんな職業に就きたいのか、そもそも進学したいかなどを日々の会話でもコミュニケーションを取りながら、今するべきことを整理して一歩ずつ進んでいきましょう。
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